The First Thing I Look At During a Property Tour: The Entrance Step
内覧で最初に見る場所 ― 私は上がり框を見ます
新築住宅の内覧へ行くと、多くのお客様は建物に圧倒されます。
新築特有の木の匂い。
ピカピカのフローリング。
明るいリビング。
初めて入る間取りは、迷路のように感じる方もいます。
そして、何を見ればいいのか分からない。
これは当然のことだと思います。
一般のお客様だけではありません。営業担当者でも、ただ一緒に歩いているだけという場面は少なくありません。
私は、まず最初に上がり框(あがりかまち)を見ます。
玄関で靴を脱ぎ、床へ上がる部分です。
なぜそこなのか。
上がり框は、現場での加工や納まりが必要な部分だからです。
隙間がある。
コーナーが合っていない。
仕上げが荒い。
なんとなく美しくない。
そういう違和感は、経験を積むと案外見えてきます。
特に多棟現場では比較しやすくなります。
担当する大工が違うからです。
腕の良い大工は、巾木のコーナーなども綺麗に納めます。
細かいところまで丁寧な仕事をする人は、見えない部分も丁寧に施工している可能性が高い。
もちろん、上がり框だけで建物の全てが決まる訳ではありません。
しかし、建物を見る入口としては非常に多くの情報があります。
私は上がり框を、建物のランドマークだと思っています。
住宅は完成すると、壁の中も、小屋裏も、床下も見えなくなります。
だからこそ、見える部分から、見えない部分を想像する。
それが、建物を見るということなのかもしれません。