近年の都心マンション市場を見ていると、価格上昇の勢いだけでは説明しきれない局面に入りつつあるように感じます。
■ 出口戦略を失った投機
価格が上がり続けることを前提とした投資は、いつか出口を考えなければなりません。
「次にもっと高く買ってくれる人がいる」という期待だけでは、市場は永続しません。
投機の最上階 ―― まるでペントハウスに辿り着いた後のような状況です。
上には、もう部屋がありません。
■ 富裕層の買い控えとアジア資金
これまで都心部では、海外資金や富裕層による需要が市場を支える場面もありました。
しかし、世界経済や金利動向、為替環境の変化により、資金の流れが変化する可能性もあります。
■ 実需との乖離
実際に住む人が購入する「実需」と価格の差が広がると、市場は徐々に歪み始めます。
一般的な所得水準と住宅価格の差は、以前より大きくなっている印象があります。
5000万円という数字も、地域によっては「安い」と言われる時代になりました。
■ 賃貸という選択肢
住宅購入だけが正解とは限りません。
市場が過熱していると感じるなら、賃貸という選択肢も存在します。
焦って購入する必要はありません。
■ ワニの口現象
価格上昇と賃金上昇が異なるスピードで進むと、その差は徐々に広がります。
まるでワニが口を開くように、住宅価格と所得の差が拡大していく現象です。
■ 日本人の実需
長期的に見れば、住宅市場を支えるのは最終的に実際に住む人たちです。
インフレが進む一方で、賃金上昇が追いつかなければ、実需層の負担は大きくなります。
投機の勢いが市場を押し上げる時代から、実需が問われる時代へ。
今は、その転換点にいるのかもしれません。